愉しい自転車&生活

31

Category: [その他]政治・社会

Tags: ---

Response: Comment 0  Trackback 0

「国」という言葉の中身


ここ最近本当に思うけど、この国は「国」という言葉の使い方がおかしい。これはマスメディアも一般人もだ。

もっとも分かり易い、象徴的な例が裁判でしょう。
国が勝訴、国が訴えた、国の主張といった言い方。まるで、国家と国民が争っているかのような印象を与えますが、正しくは行政府です。行政府というのは「国」ではありません。あくまでも国家の一機関です。近代の民主政国家では、三権分立を原則とし、立法(国会)、行政(内閣)、司法(裁判所)に分かれていることは全員学校で習っているはずですが、何故かこの国の人間は行政府の事だけを「国」と呼ぶ

日本語の「国」には、英語で言うところのnation、state、country、全ての意味が含まれてしまい分別がありません。全てを包括する意味で「国」と言うこと自体は、特に日本語として間違っていないと思いますが、しかし、行政府単体を指して「国」と呼ぶのは明らかに間違っている。今が封建社会であれば、それでよかったのかもしれませんが、少なくとも民主政社会においては、その用法は間違っている。ここに無自覚だと「政府が国家である」と、知らずの内に刷り込まれてしまうわけです。

それと、政治家は国民の「代表」であるという言い方。これも違う。正しくは「代行」です。この国の行く先を決める最終決定権=主権は国民にあります。政治家にはありません。しかし、現実的に全国民参加で政治を行うことは不可能だから、間接民主制という制度をとり、投票で選んだ議員達に代わりに政治を行わせているわけです。

だから、国会も、内閣も、裁判所も、警察も消防も、市役所も、我々がお金を出しあい、税金で人を雇い、そういう組織を我々がつくっているのです。決して政治家や官僚が国を治めているのではないのです。政治家や官僚を私たちが雇っているのです。私たちの国を私たち自身で治めていこう、というのが国民主権の意味であり、民主政という政治体制です。つまり民主制とは言い換えれば自治です。


こういった言葉の使われ方を踏まえると、「愛国心」というのが如何に気持ち悪いものか分かる。政府を批判する人間は「国」を批判する人間ということになる。だから「文句があるなら出ていけ」という言葉が出てくる。政府を批判する人間は反日や非国民と呼ばれることはあっても、愛国者とは呼ばれない。逆に、政府の側につく人間は、批判する人間を反日、非国民と非難することによって、間接的に自らは「愛国者」であるとを主張する。

愛国心というのは僕が最も嫌いな言葉だ。愛国心と声高に言われるその時、そこに自称愛国者達による愛の強制を感じ、それに同調しない者への排除を感じるので、全身が拒否反応を示す。愛国など反吐が出る。「ナショナリズムは小児病である。それは国家の麻疹(はしか)である」と、アインシュタインはインタビューで答えたそうですが、特に日本の場合は、「国」という言葉が=「政府」として使わているような国ですから、「愛国心」は非常に強い政治的ニュアンスを帯びているわけです。

現に、教育勅語を正しいものとし、軍歌を歌わせるような幼稚園の教育に共鳴するような政府が「愛国教育」をすすめようとしている。教育勅語を道徳として教え、他国を蔑み、子供に「国」を愛しましょう、と教えるのですか?愛するように仕向けるのですか?おかしいだろ。そんなの。馬鹿みたいに自国を礼賛し、他国(とりわけ中国・韓国)を蔑視し、ナショナリズムを煽る今の日本社会のムードには吐き気がする。

僕もこれまで色々な国を自転車で走りましたが、自分が生まれたからといって日本を特別な国だと思ったことは一度もない。その土地の自然や文化的背景、政治情勢はそれぞれ違いますが、どこの国の人間もみな同じ人間であった。だからこそ沢山の親切を受けてきたし、旅人として、友人として迎えて入れてくれたのだと思っている。互いに親しみを感じ、思いやれるような人間同士の共通性が基盤にあり、そのあとに地域性や国ごとの独自性があるのであって、その逆では決してないのだと思う。ナショナリズムを強調し国家に奉仕するより、一人一人の個人性を大切にし、多様性を認め合い、人類皆兄弟で助け合うほうが間違いなく、みなの利益になる。そう僕は思います。


関連記事
comments
leave a comment





プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

カテゴリ
検索フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ


1
2
3
4
5
6
7
8
10
11
12
14
15
16
17
18
19
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
08, 2017 < >
Archive   RSS