12 2016
クランパスの最初の感想
一番最初の印象は、見た目、乗り心地含めて「意外と普通」だと思った。
あの冗談のような見た目のファットバイクを先に知っているので、3インチのタイヤは全くもって普通に見える。確かに太いと言えば太いが、感覚的には「普通」の範囲内。ファットバイクで麻痺して、一般的な感覚ともしかしたらズレてるかもしれないが、何回見ても異質な太さに見えるファットバイクとは明らかに異なると感じる。サーリーが3インチタイヤをファットバイクと呼ばないで、通常のサイズ表記の後ろにプラスを付けて29+、26+と名付けたのは納得がいく。
ペダルはなんとストレートラインAMPペダルのチタンアクスル。新品じゃとても買えないので中古。
10sでロー側に40Tのギア板を追加(その分17Tを抜いている)。ただ、旅ではこれじゃなくてシングルスピードで行くかもしれない。
乗り心地に関しては、太いタイヤを評して「浮遊感」とよく聞くけど、確かにそうした感覚が全くないとは言えないが、なんだか巷では「浮遊感」という言葉が独り歩きしてるように思える。少なくとも、僕がもっていた「浮遊感」という言葉のイメージと、実際に乗った時の感覚には、かなりズレがあった。
むしろ際立つのはコーナーの時のレールに乗っているような強烈な安定感、全く転ぶ気がしない安心感、路面のイレギュラーをものともせずに突き進む走破性。印象としては浮遊感というよりも、強烈なトラクションの方が先にくる。そのあと、他のロングホールトラッカーやトロールと併用しながら乗り比べた時にようやく、ああ確かにそういう感覚(浮遊感)はあるかな、と思ったけど。まあファットバイクではなく、セミファットなので、ファットバイクの場合はまた別だと思うけど。
リムはsunringleのmulefut。幅は同じでラビットホールよりも軽いです。つなぎ目は溶接ではなくピンだけど。
でも、そもそも、ファットバイクは通常の自転車では走行ができない雪上や砂の上などのユルイ場所でも走るためのもので、その文脈において太いタイヤにflotation=浮力があると表現していると思う。サーリーのHPには、パグスレー(世界で最初の量産型ファットバイク)の開発にあたって、これまでにないフローテーション(浮力)とトラクションが必要だったと書いているけど、文脈からして、雪上でも埋まらないようなタイヤの浮力という意味でしょう。それを日本語で「浮遊感」と訳しているわけだけど、文意を正確に伝える訳なんだろうか。と思ったりする。
BBBのスキュワー。1秒でも早くタイヤ交換しなければならない状況は僕には無いのでクイックリリースである必要はない。むしろ重いし見た目も悪いのでクイックじゃない方がよい。
もう何度も26インチ(トロール)と乗り比べているけど、どちらが優れているというのはない、と思った。優れた点=面白さの種類が違うので、優劣はつけられない。「XCレースで」とか、用途を限定しての話なら優劣は決まってくるだろうけど、単純に楽しみで乗る場合ならば、どちらも楽しい。29は26の上位互換ではなく、異なるテリトリーに棲んでいるものだ。
26の車体を支配下において操る楽しさは29にはないし、29の安心して車体に身を委ねられる安定感や走破性は26にはない。この差は、コンポ―ネントやフレーム素材の差による違いなどとは異って根本的な違いで、26と29は別種の乗り物。両者は楽しみ方が違う。27.5は乗ったことがないので分からないけど、普通に考えればその中間くらいなんでしょう。27.5は最近大流行りみたいだけど、今の僕が旅に使うには一番中途半端でつまらない選択なので、絶対に選ばない。ロングホールトラッカーとかに入れるには良いかもしれないと思うけど。
3インチタイヤ
カバーだけZEEで、中身はSLXです。SLXのカバーが極度にダサいので換えた。やはり油圧は素晴らしいですね。オフロードで行くなら油圧ですわ。ちょっとワイヤーに戻りたくない。
ステムはポジションが決まるまで最終決定できない部分。メーターはタイヤの耐久性を計るのに付けてますが、見ないのでひっくり返してる(見えると鬱陶しい)。見る人が見れば分かると思いますが、全体的に相当雑に組んでいます(特にワイヤー類の長さとか取り回しとか)。
僕の場合全ての車体でそうなんだけど、日常的に何かしらいじり続けているのでバッチリ決めて組んでも結局また崩すことになる。完璧に合わせてしまうと崩す時に「あーあ(残念)」と思ってしまうから、いい加減のままが良いわけです。神は細部に宿る。とか言いますが、まず全体の構想やバランス感覚がないと、いくら細かい所に凝って細部を完璧に組んでも、全体としてはチグハグになる。細部にまで行き届いた組み手の意志というのは、全体のイメージが描けているからこそ意味を成すものだと、今までの経験(失敗)から思うのです。
最後クランパスから話がそれたけど、クランパスもトロールもロングホールトラッカーも、ようやく車体ごとの性格を掴めるようになってきたので、これから仕上げていくのが楽しい、そして楽しみ。
僕も次の旅の後、余裕が出てきたらオフロードバイクに走る気がしてます。
クランパスで染谷さんがどこに、どのように旅するのか楽しみにしてますね。