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Category: [その他]ギアレビュー

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ロングホールトラッカーとトロールのツーリングバイクとしての違いについて


ロングホールトラッカーもトロールも一応装備品の欄で書いてはいます(ロングホールトラッカートロール )が、全く性格の異なる車体での旅行をしたので、両者使ったうえでの感想をまとめておこうかと思います。「ロングホールトラッカー」、「トロール」という固有名詞の比較として書いてますが、「ツーリング車」と「MTB」という一般名詞としての比較にも通じる話があると思います。


ロングホールトラッカー
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トロール
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自転車で走るといっても様々な走り方が想定されますが、今回は当然「海外ツーリング」という切り口からの比較です。そして更に、その海外ツーリングの中でも大陸を股にかけるような長期間のキャンプツーリングのお話です。
で、まず僕がしていたような、また他の世界一周サイクリストがしているような旅の仕方を伝統的な冒険ツーリングだと定義して、その意味のツーリングにおいてはロングホールトラッカーの方が適性が高い、と僕は思います。もっと言えば、ロングホールトラッカーではなくディスクトラッカーが良いですが。


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トロールとロングホールトラッカーを比べた場合、明らかに運動性能が高いというか、よりスポーティなのはトロールであり、スリックタイヤをはいたトロールは舗装路で想像以上に速く走る。少し言い方を変えると、(極めて感覚的な判断になるのだけど)走っていて楽しい速度がトロールはロングホールトラッカーよりも速い。そして加減速が楽しい(つまり加速の際のかかりが良い)と感じるのは、恐らくBBドロップが小さいことと、チェーンステイの短さに起因するのでしょう。無駄に荒れた場所を走ったり、段差に飛び込んだり、攻めたくなる、遊びたくなるのがトロールで、どっかりとサドルに座って淡々と走るような大人しい乗り方もできるけど、本来の姿ではないと感じる。その辺に、やはりMTBは純然たる「遊び」から生まれてきたんだな、というのを感じたりする。ということは、僕がヨーロッパ、アフリカを走っていた時のトロールの仕様はやはりちょっと半端だったなと思うのですが。でもまあ、あれはあれでアリだとは思う。なんてったってサーリーですから。しかもトロールだし、何でもアリでしょ。


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一方、ロングホールトラッカーはグッと重心が下がり、トロールのようなスポーティな感じはかなり薄れる。逆に淡々と一定のペースで巡航した時、車輪の転がるままに任せた時に最も気持ちが良いと感じられる。フレームもトロールほど固くはないので、乗り心地もよく、ずっと大人しい。悪く言えばもっさりしているというか、キビキビした感じは全然ないので、そういう意味での面白さはないが、スポーツライクなノリで走るというよりは荷物を運搬するという実用的な用途の車体なので、そこは短所ではなく長所でしょう。オンロードのロードレーサーとその対極にあるオフロードのマウンテンバイクは、やはり同じ「スポーツ」という地平の感覚で乗るものですが、ツーリングバイクはそれらとは異なるベクトルにある自転車だと思う。

個人的な好みで言えば、普段の足としてはトロールの楽しさを選ぶことのが多いけど(逆にのんびり行く時はロングホールトラッカーを選ぶ)、使用条件が前後荷物を括り付けてのフルパッキングのツーリングとなると、一定ペースで走った時の心地よさや、積載時のバッグ位置の良さ(チェーンステイの短いトロールはリアサイドバッグがかなり後方に寄る)や、重心が低くて積載時の安定感をもつロングホールトラッカーに非常に魅力を感じるわけです。大陸縦断レベルのツーリングといっても、基本的に舗装道路を走るので、実際の所マウンテンバイクである必要性は薄く、フレームのカタさとしなやかさのバランスや、キャリア、バッグの取り付け位置など、通常のツーリングバイクの方がよく出来ているわけです。


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さらに、じゃあ未舗装の時はMTBのトロールが優位なのかと言えば、確かにトロールの安定性は高い。まあ、ダートならトロールの方が良いでしょう。しかし、フレームがいかにマウンテンバイクであっても、足回りが舗装路仕様であったなら、それはもうマウンテンバイクとしての性能は半分も出ない(更にフルパックなら尚更)わけです。スリック系のタイヤでパンパンに空気を入れて走るのであれば、逆にブロックタイヤで空気圧を落としたロングホールトラッカーの方が余程走り易いことでしょう。

つまり、いかにフレームがオール・テライン(全地形対応)であっても、足回りのセッティングでオフロード性能が大きくスポイルされてしまうため、オフロードとはいってもマウンテンバイクである優位性は少なくなってしまう。であるならば、ほとんどの時間を過ごす舗装路を中心に考えた方が良い、というのが僕の考え。それに大抵、海外ツーリングに使われる車体は太いタイヤをはけるようになっている。ロングホールトラッカーの場合、リアに関してはリムをライノライト、タイヤをビッグアップル(26×2.35)にして、さらに泥除けを付けられるほど余裕がある。フロントは2.35だとギリギリなので、ホイールの振れが大きいと擦ると思いますが。海外走行だと、通常、1.75~2インチ程度の太さのタイヤを入れると思いますが、それだけ太いタイヤであればダートが来ても対応できるし、さらにディスクトラッカーであれば、トロールに対してのブレーキ面での不利もなくなる。

簡単に言えば、両方ともフルパッキングで同じパーツ構成ならば、ロングホールトラッカーで走れないようなダートは、トロールでも走れないということです。トロールが、マウンテンバイクとしてのライディングが可能な仕様であれば話は別ですが。


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ということは、こうして考えていくと逆に、確実にトロールの方が良いと言えるスタイルのツーリングもハッキリしてくるわけだ。それはつまり荷物が少なく、ブロックタイヤで空気圧もある程度低くしてダート中心に走るのであれば、あるいはシングルトラックなどもコースに折り込んでいくのであれば、これはもうロングホールトラッカーの出る幕ではなく、絶対にトロールということになる(仮にそこまで荷物が減らせなくても、ダート中心ならトロールでしょう)。そういう意味で、トロールはバイクパッキングとの相性が良いと思います。どちらの車体にせよ軽い方が楽なわけですが、ある程度積載した時に真価を発揮するのがロングホールトラッカーであるならば、身軽な方が本領発揮するのがトロールではないかと思う。



そして、ここまででロングホールトラッカー、トロールともに安定感が高いと書いてきましたが、その質の違いについて少し書いておきたいと思います。まず、ロングホールトラッカーの安定性はBB位置の低さやチェーンステイの長さからくるもの、という風に感じる。それは巡航時の気楽さや重量級パッキングの時の安定感に繋がっているのでしょう。対して、トロールの安定性の高さはリアではなく、明らかにフロントセンターの長さからきていて、ハンドリングが安定し車体がふらつかず真っ直ぐに進む力が強い。それはやはり舗装路ではなくて、もっと荒れている難度の高い道=オフロードでより活きてくるような類のものだと思う。両者とも安定性が高い車体だと言っても、その内容はハッキリと違っているわけです。





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ということで、まとめると
オンロード仕様で旅をするならロングホールトラッカー
オフロード仕様で旅をするならトロール

という考える必要なかったくらい当たり前の結論が導き出されてしまった。なんてこった。


最後に、僕が乗っているトロールは旧型で、新モデル(2017)は、汎用性の高さは継承しつつも全面的に刷新されており、よりツーリング方向に振った設計になっています。旧型がキャリアの付くMTBなら、新型はストレートにダートツーリング車

あと、長期旅行ならブレーキはディスクのが利点が大きいと思います。リムブレーキは軽くて、部品が手に入り易い(どこでも売ってるし、ディスクのようにキャリパーごとにパッドが異なるということがない)ですが、ブレーキとしての性能はディスクの方が上です。コントロール性の高さ、耐候性、リムへの攻撃性・・・ヘビーに使うほど、ディスクの利点がリムブレーキの利点を大きく上回ってくると思います。街乗りでライトに使うなら、シンプルさや手軽さ、軽さなど、リムブレーキの良さも捨てがたいと思いますが。


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プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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