愉しい自転車&生活

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Category: [アフリカ]スーダン

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Community: テーマ-自転車旅行  ジャンル-旅行

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たとえ目的地に入れなかったとしても


お店の前にテントを張らせてもらった翌朝
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また引き返す時に通るのでその時にも寄るよと言ってお別れ。
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まだ胃の調子も完調とはいかないので、ちょっと走ったところで早々と休憩。
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コーヒー豆を炒っていた。
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「一緒に食べる?」という誘惑に負けた瞬間。誘われるとついね。
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そして、そこからしばらく走ってカッサラの町の入り口に到着したところで検問があった。スーダンはちょいちょい検問があるんだけど、特にこのカッサラまでの区間は多かった。ただ、いつもはスルーか、パスポートチェックして「行っていいよ」になる。しかしここは違った。パスポートチェックのあと、「君はカッサラに入れない」という衝撃の宣告。イヤイヤイヤイヤ、全く意味が分かりませんがな。警官は「とりあえずあっちに座って待っていろ」と言って何やら電話でやりとりをしている。

カッサラというのはスーダンに来たバックパッカーの人はよく来る場所であり、別に観光客が来てはいけない場所では全くない。むしろ観光地的なものが殆どないスーダンなのでそこそこ来るはずだ。しかし、結論から言うと僕は入れなかった。しかも、少し待たされた後、外からは見えない塀で囲まれた建物の方に連れていかれ、全部荷物を開けてチェック。何故かは全く分からないが相手の態度も段々と強気で横柄になっていき不穏な空気になっていく。何をしたいのか知らないが、バッグをほじくり返しては、いちいち「これは何だ!」と聞いてくる。コンパスとかクレジットカードにまで「これは何だ」ってね。見りゃ分かんだろがこのドアホウのノウタリン。とまでは言わなかったけど、「見りゃわかんだろ」までは言った。

そして「ナイル川がどうたらこうたらで、カッサラはここにあるから・・・」という、なんで入れないのか意味も分からないし納得もいかない説明をしてくるが、その時点で僕はもう既にカッサラに入る気などサラサラなかった。入れない理由なんて「お前の気分だろ」と思っていたし、どっちにしろ入れないなら理由などどうでもよい。そんなもの聞くだけ不愉快。もうさっさと立ち去りたかったので、説明をぶった切って「ケダレフに戻る」と何べんも言ってるのに相手も「いいか!?入るなよ!」と念を押してきてしつこい。どんだけ入れたくないんだ。終いには「もし入ったのを見つけたら逮捕するからな」とも言われた。

向かい風の中220㎞かけてきたことに関しては別にどうでもよい。そこに入れなかったのもまあどうでもよい。ただ、なぜバスで来た観光客が普通に入れるのに自転車だけ入れないんだ。ここが理解できない。自転車優遇しろとは全然思わないが、同じ「観光客」なはずなのに何この扱いの差。こんなもん納得いかんわ。何より一番ムカついたのは、無意味で執拗な荷物検査に、入ったら逮捕するという脅しまでかけてくる、この権力もってる側の人間のふんぞり返った横柄な態度。これが最高にムカついた。
まあ、こういった「特別扱い」をされるという事は、「普通の旅行」ではないと見られたということで、それは逆にちょっとした評価であったと解釈できなくもない。ということで僕の中ではそういう事にしてある。御贔屓にどうもありがとうございました。


ついでにカメラも鞄に仕舞えと指示され、カッサラの写真(山の風景も含め)も撮るなと言われたんだけど既に写真は撮っていたから別にいいし。「撮るな」と言われてからは撮ってないのでちゃんという事は聞いた(屁理屈)。
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というわけで、220㎞かけて寄り道に来たけど一歩も入れずに引き返すことになった。
ただ、目的地に入れなかったからといって僕は決してこの往復を骨折り損のくたびれ儲けとは思わなかった。入れなかったのは確かに残念ではある。しかし、自転車旅行として見た時、このカッサラまでの寄り道には内容的に欠けるような点は殆ど何もなかった。欠けたのはただ一つ、入れなかった部分だけだが、逆に、たったその一点が欠けたことによって、実はカッサラを観光することなど自分にとっては殆どどうでもいいようなことだったというのが見事に鮮明になった。これは負け惜しみではなく、事実。

それをハッキリと示すかのような出来事が、引き返し始めてすぐにあった。
追い返されてほんの20分ほどの時、自転車で走っていると「モヤー!モヤー!(モヤはアラビア語で水の意味)」と叫びながら追いかけてくる子がいた。立ち止まってみると、どうやら手に持った水のペットボトルを僕にくれるらしかった。この乾燥した地域において、水が大切じゃないなんて事はあり得ないけど、それを売るわけでもなく、ただ応援の意味でくれた。その子がどういう心境でそうしたのかは知らないし別に深い理由なんてないだろうと思う。単純に外国人に対する興味や好奇心、自転車で旅してる珍しさとかなのかと思うけど、凄い笑顔で駆け寄ってきたので、その子か嬉しい楽しいと感じている事はよく分かった。そして同じように僕も嬉しかった。

走ってきたのは右から二番目の子。
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これなんだと思った。客向けにあつらえた場所ではなくて、こうしたその国の素の場所、ふつうの空間で、ふつうの人達と触れ合えるテンポで進む。自分の意志と、自分の力で、前へ進む。それが自転車の旅なんだと教えてもらったように思った。何気ない場所での出来事は、一般に特別だと思われるような場所よりも僕には何かずっと特別なものだと思われた。この寄り道をして良かった、というのは偽らざる本音。

まあ、端から入れないの分かってたら絶対来なかったけどね。

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プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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