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Category: [欧州]フランス

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マイヨールの彫刻


パリのカルーセル庭園には近代フランスの彫刻家であるアリスティド・マイヨールの彫刻がある。マイヨール美術館もあるのだけど、そちらは現在閉鎖中。バリアフリー化などで改装するので閉めているそう。


「とらわれのアクション」
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僕がマイヨールを知ったのは白樺教育館館長の武田先生からでした。以前にも書きましたが、中学1年の頃から白樺教育館のソクラテス教室に通い始めているので、関わりは16年ほどになる。大学を卒業し働いていた3年間は時間がなくほとんど関われていませんでしたが、アメリカ大陸の旅があとの一時帰国中も毎週土曜の高校・大学クラスに行っていた。高校・大学と言っても、高校生から上は60代までいますが。僕はそこでずっと哲学を学んできたので、そこへの関心が一番強い。だから今回の旅程のなかでもその発祥地であるエーゲ海を取り囲むギリシャ、トルコの一帯は最大の目的地。


「エア(空気、大気)」
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日本人は他の国よりも宗教や思想、哲学に対して無関心であると思うけど、そここそが最も根底的な部分ですからね。思想史は一番深い部分の人間の歴史。人間や社会を一番深いところで規定してるのは宗教や思想でしょう。キリスト教社会はやはりどこにあろうがキリスト教の常識にもとづいた社会だし、イスラム社会もそう。


「春(胴体のみ)」
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そういうわけで武田先生のもと、思想・哲学(フィロソフィ)を学んできた僕にってはまずギリシャに特別思い入れがあるのだけど、ここフランスという国も大事な国だ。なにせ高校の時に授業でフランス、啓蒙時代の思想家ルソーの社会契約論を読んでまとめたので。あれは中々キツかった。ライトノベルのようにスラスラ読んで理解できるような代物ではなくて、なんせ「読んでも分からない」のだから。英語やフランス語で書かれたものを読んでも分からないというのではなくて、母国語である日本語で書かれているのに読んでも分からない。表層の言語表現に惑わされずに、ルソーが何を言わんとしているのかを掴めないと意味が分からないし、意味を取り違って誤読する。


「山」
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特にインターネットのやりとり等で感じるけど、全体の文脈、文の本筋、こちらの言いたい事を読み取らずにいちいち「単語」にひっかかってくるのが多い。ある言葉に対するイメージ、解釈というのは人それぞれ違う。たとえそれが「コップ」のような言葉であったとしても、コップに対する認識が他者と全く同じということはなく、人によって異なってくる。コップのような物体を規定する言葉ならまだしも、善悪、正義、美醜、愛、などの抽象的な言葉になるほど捉え方も違えば、文脈によって意味も大きく変わってくる。だからこそどういう意味でその言葉を使っているのか、相手の言わんとすることを掴もうとする必要がある。もし分からなければそれを確認して、そこで共通の認識をもたないと話が進まないし、自分のもっているイメージだけで全部意味を塗り替えて読んだらやりとりは成立しない。書き言葉は話し言葉とは違って、抑揚、表情、語気など本来言葉が同時に持っているはずの様々なものが欠落するので特に意識しないとならない。


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マイヨールの話だけど、マイヨールは多分知っている人は少ないと思います。僕も武田先生から聞くまでは知りませんでした。僕は特に芸術に明るいわけでも、興味をもって日常的に見てきたわけでもないですし。とりあえずロダンは誰でも知っているかと思いますが、そのロダンに「彼は天才だ」と言わしめたのがマイヨールで、ロダンに「全ての人の模範だ」と言わせたのがマイヨールの彫刻。それほどの人物にもかかわらず日本語で読める関連書籍や写真集は非常に少ないため、マイヨールの彫刻群を撮ってほしいと武田先生から頼まれていた。そういうわけで今回のパリ滞在中にカルーセル庭園に通って撮っていたわけです。


「ヴィーナス」
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たしかにマイヨールの彫刻って写真が少なく、調べてもあんまり出てこない。
この記事のように大量にアップされたのは中々ないと思います。


「悲しみ」
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「イル・ド・フランス」
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マイヨールは40過ぎてから本格的に彫刻を始めているので彫刻家としては相当遅咲き。それまでは画家を目指していたが、視力を悪くしたのもあって彫刻へ転向しています。


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「夜」
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「地中海」
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最期の大作「河」 81歳でこれをつくったというのだから信じがたい。
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おまけ。彫刻のおっぱいを触って喜んでいたフランス人達。パリでデザイナーをやっているらしい。
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カルーセル庭園からの夕焼け。右の塔は皆さまご存知のエッフェル塔。
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プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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