愉しい自転車&生活

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Category: [その他]自転車旅あれこれ

Tags: 考察  

Community: テーマ-自転車旅行  ジャンル-旅行

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ハブのグレードの違い


ハブの玉あたり調整とグリスアップをしたついでにDEOREとACERAのハブを比べてみた。
フロントとリアでの比較だけど、グレード間の質の違いを比べるだけなので関係ないでしょう。


まずは玉押し。
DSC01589.jpg

一目瞭然でしょうが、左がDEORE。
両方とも素材はスチールで変わりないが研磨の程度に違いがある。

受けの方。上がデオーレ。
DSC01594s.jpg

DSC01595s.jpg

差は分かりにくいけど若干デオーレの方が仕上げが良い。


シャフト。デオーレの方はゴムの輪っかが付いてます。これによってグリスがシャフト中央の方へ流れにくくなり、長期間ベアリング部分に留まる。
DSC01590.jpg

アセラはなし。これはつまりグリスが流れるということなので、対策としてなのかデュラグリスがたっぷり塗られていた。
DSC01596.jpg



デオーレ。
DSC01597.jpg

玉押しが蓋のようになる。これに加えてディスクローターを付ける。
DSC01598.jpg


対してアセラはパッキンは付いているものの、デオーレのように被せるのではなく単純に穴にはめる形。
DSC01600.jpg
DSC01601.jpg


カタログスペック上は差が全くと言ってよいほどないのだけど、こうして比べると全然違う。
特にシール性。デオーレの方が泥、水、チリの混入には強い構造。まあリア同士もしくはフロント同士で比べたらちょっと違ってくるかもしれないけど。一応、バラしたことのあるVブレーキ用のデオーレRハブとアセラRハブの比較でも明らかにシール性は違います。


さらにXTとDEOREのフロントハブも比べてみます。こちらはフロント同士。

左がXT。
DSC01607.jpg


XTになると、根本的に構造が違ってくる。
まずロックナットの脱着には5㎜のヘックスを使うので、ハブスパナを使う必要がなく、そのためロックナットは丸い。デオーレはスパナで回せるナットになっています。これはつまりデオーレでスパナを使うために欠けている部分がXTにはあるということなので、ロックナットとフレームの接地面積が大きくなり、剛性が上がるだろうと推測できる。


ロックナットを外すとシャフトが出てくる。シャフトの素材はアルミです。
DSC01608.jpg

シャフトがアルミになっているためデオーレと比べてだいぶ軽いです。
さらにパイプ径も太くなっているのでこれも剛性のアップに繋がっていると思われる。シールも2重に蓋をかぶせているような構造なのでデオーレよりもさらに泥などの混入には強くなっている。


で、話はここから。
見てもらったら分かるように一般にはXTのが当然良いでしょう。整備も明らかにやりやすい。ただ、デオーレを基準において、そこからXTへの方向性を考えてみた時に、主眼となっているのは軽量化と高剛性化だ。どこからどう考えても自転車旅行において高耐久なハブをつくることを目的としていない。目線の先には「レース」がある。アルミ製の大径シャフトにより軽さと剛性を両立し、ロックナットをヘックスで回せるようにしてフレームとの接地面を増やして剛性アップと整備性を良くする。競技志向ならそれで正解だと思う。

じゃあ旅でXTまで必要か?というと、現段階の僕の結論としては、単純な素材としての耐久性はスチールに分があることと、乗り方、値段などを合わせて考えればデオーレクラスの方が「向いてる」んじゃないかと思える。
ただし、これは「自分でバラせる人」の場合。バラせない人の場合は、そもそもの精度が高くてガタが出にくく、より雨や泥が侵入しにくいXTの方が良いと思う。アルミだからといってシャフトが駄目になることもないと思うし、スチールだのアルミだのという素材の違いで語るのは、実験的に確かめた上でそうだと言ってるわけじゃなく、感覚というか信仰に近いものだ。鉄のが強いに決まってんだろ。オレは鉄が良いんだ、というような。まあもちろん素材として鉄のがタフだというのはそうなんだけど。
メンテフリーのハブというのはないけれど、上位グレードほどそれに近いのだから、自分でできないか、できても面倒でやりたくない人は、結果として上級コンポの方が長く使えると思う。

そしてアセラをばらして思ったが、雨風泥、様々な環境でも挫けず走らなきゃいけない旅だとシール性がちょっと心もとない。たぶん整備さえすれば耐久性の差など無視できるか、もしくは変わらないくらい長持ちすると思う。ただ、ハブってそんな頻繁にバラしたいパーツではない。整備するのは嫌いじゃないが、しょっちゅうハブをばらしてグリスを入れ替えるほどの自転車オタクでもない。あくまで自転車は道具であり足であって、その限りとして最大限の手入れはするけど、それ以上はしない。面倒だ。

アメリカ大陸ではデオーレを使ったわけだけど、実はウユニ塩湖の走行でフロントハブは中まで塩水が入って完全にベアリングが錆びて、玉押し、受け、ともに傷が入ってしまっている。ただ、それはあの塩水にどっぷり浸かった後にハブの清掃とグリスアップを怠ったからであって、デオーレの性能ではなく自分の怠慢。あんな水没するような環境で走ったらXTでも錆びるし。


傷ついたベアリング
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玉押しもガリガリ
DSC01519s.jpg


中のグリスは削れた金属粉とグリスが混ざり合って非常に粘性の高い金属グリスになっていた。しかし削れたおかげで実は玉とか玉押しとかはキレイになってるんですが。
DSC01520.jpg


これが綺麗な方。2万7000㎞走った状態です。
DSC01521.jpg



まあ雨季のウユニのような極端な環境というのはそうあるものではない。
そもそも自転車で走れる塩水の水たまりというのは世界中探してもほぼないと思う。自転車が走れるほど締まった路面かつ、数十センチの水位があって、塩分を含んだ水で・・・ってウユニくらいしか知らん。ウユニの近くにあるコパイサ塩湖というのがもしかしたらそんな環境かもしれない。

というわけでまとめると、自転車旅でハブに関してはDEORE以上が望ましい。
メンテの頻度を少なくしたいなら高いの買えばいい。という感じ。



最後おまけ

百均で売ってる注射器はグリスガンとしてとてもお勧めです。
DSC01605.jpg


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プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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