愉しい自転車&生活

27

Category: [その他]政治・社会

Tags: ---

Community: テーマ-自転車旅行  ジャンル-旅行

Response: Comment 2  Trackback 0

「集団的自衛権の深層」  松竹伸幸著



ある事についてそれが良いのか悪いのか、それともよく分からないのか、何かしらの判断をする時に、そのことについてきちんと知って、考えた上で判断するのは大事だし、基本の態度だと思います。他人のことより、まず自分ちゃんと分かってんの?ということ。そんなわけで、泥さんがアマゾンでレビューを書いていて面白そうだったので「集団的自衛権の深層」という本を読んだ。これがとても分かりやすかった。

この本では集団的自衛権がどんなものか、その概念から実際にどのように行使されてきたのかという現実、国際社会の流れ、安倍総理の言う集団的自衛権の事例が集団的自衛権にあたるものなのか、が明快に解説されている。

面白かったのはミサイル防衛の話。
安倍さんがよく「アメリカに飛んでいくミサイルを撃ち落とさなくていいのか」という言い方をする。この言い方だと、日本はたとえば北朝鮮からアメリカに大陸間弾道ミサイルが発射されたとして、そのミサイルを撃ち落とせる装備を持っているかのような言い方だけど、そんな装備は持って無いんだって。
アメリカ本土にミサイルを撃ったとして、それは日本を遠ざかり北極の上を通りアメリカへ到達する。マッハ20以上というとんでもない速度で日本から遠ざかるミサイルを後ろから追っかけて迎撃しなければならないことにる。そんな装備は日本にないどころかアメリカにもない。

ただ、北朝鮮からグアムやハワイに向けて発射された場合は日本上空を通るため、迎撃が不可能とは言えないが、それにしても高く打ち上げられたミサイルは現状日本のもつミサイルでは届かないらしい(ギリギリ届くという人もいるが)。まぁ軍事についての詳しいことは分からないけど、グアムに向けたミサイルに確実に届くものは現在開発中らしいので、それが実用化したら堂々とアメリカ(のグアム)に飛んだミサイルを撃ち落とすと言えるわけだ。でも現状できないことを出来るかのように具体的例として持ち出していたことになる。さらにこんな例を持ち出すくせに安倍総理は、「長距離弾道ミサイルには必ず核弾頭か生物兵器が搭載されているが、それを日本上空で撃ち落としたらどうなるの?」という質問に対し、「仮定の話だから答えられない」と返すのだから凄い。他国を対象にしたミサイルを日本が撃ち落とす、ということはその時点で日本も攻撃対象になる可能性が非常に高いということだけど、その辺はどう考えているのだろうね。


以前「日本は凄い国だ」の記事で引いた防衛省のHPは当然削除されて現政府の方針に沿うよう新しいものに変わっているけれど、その新しい文章の中にはこんなことが書いてある。

「しかし、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであり、憲法上許されないと考えています。」

http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/seisaku/kihon02.html


しかしね、安倍さんは「ホルムズ海峡での機雷除去」を集団的自衛権行使の事例として挙げている。
そして機雷の除去は武力行使であると自身でも認めている。防衛省のHPによると、憲法解釈が変わった現状でも日本は他国の領海には武力行使の目的をもって自衛隊を派兵することは憲法上許されないとされている。そうか、じゃあホルムズ海峡は領海じゃなくて公海なのか、って思ったら、なんと安倍さん自身が「ホルムズ海峡の国際通行路はオマーン領海にあり、またその最狭部はイラン及びオマーンが主張する領海が重複しており、公海は存在しない」と認めている。なんというかもう、こんなん本気で言ってるとしたら頭が悪いとしか言えないわ。

しかも、わざわざ他国の設置した機雷を除去をするという事は、設置した国からしたら喧嘩を売られたということになる。安倍さんが想定しているのはイランだけれど、機雷除去をやるということはイランを敵に回すことになる。そしたらどうなるのか。そこまで考えての発言なんだろうか。安全保障というからには日本がとった行動に対して相手がどう動くのか、そしてどのような結果が予想されるのか、そこまで考えて、それが本当に安全に繋がるのかを考えないとダメだろ。イランは旅で行くんだからイランと仲悪くなるようなこと言ったりやったりすんじゃねえ、とも思う(まあこれは完全に私情だけど)。


ちょっと本から話がそれたけど、この本の最後では日本がどのように国際平和に貢献していくべきか、著者の意見が述べられている。それは、いわゆる「普通の国」になることで貢献するのではなく、戦後69年、自衛隊がただの一人も人を殺していないという事実をプラスの価値だと判断し、侵略者のイメージがない(アジアの国は別だろうけど)日本の自衛隊にこそ相応しいとPKO活動をすべきだと主張する。

集団的自衛権って実際どんな権利なのか、どんな国が行使しているのか、集団安全保障とどう違うのか、日本がどのような形で国際平和に貢献すべきか、ちゃんと知りたい考えたい人は是非読むべきだと思いました。

関連記事
comments
バランスが大切です(^^) 
集団的自衛権が必要だと思っている人の本も何冊か読んでみてはどうですか?(笑)
Re: バランスが大切です(^^) 
著者の松竹さんは集団的自衛権を否定していません。本の一番最初に書いてあります。


> 集団的自衛権が必要だと思っている人の本も何冊か読んでみてはどうですか?(笑)
leave a comment





プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

カテゴリ
検索フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ


1
2
3
4
5
6
7
8
10
11
12
14
15
16
17
18
19
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
08, 2017 < >
Archive   RSS