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Category: [その他]メモ

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人類の起源


整理するためと旅中に復習できるようにメモ。


今回はアフリカ。テーマは人類の起源。

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今現在、人類の起源はアフリカにある、という事は、猿人の化石がアフリカでしか発見されていないことからもほぼ間違いのないとされている。しかし、現生人類(ホモ・サピエンス)の起源には2つの説がある。一つは唯一アフリカを起源と考えるアフリカ単一起源説。もう一つはアフリカで進化した原人や旧人が、アジアやヨーロッパに広がり別々に進化していったとする多地域進化説。

現在、多くの人類学者はアフリカ単一起源説を支持しているが、以前は多地域進化説が支持されていた。なぜなら、単一起源説をとると、現在の多様な人種的違いが20万年という短い時間で現れたことにってしまう。一方、多地域進化説では180万年ほどかけてそれぞれの地域で人類が進化したことになり、現代人の違いを見るとその方が納得しやすかった。


しかし何故今アフリカ単一起源説が主流になったのか。
それは今日も続けられる化石の発掘と、なにより決定打となったのはDNA解析の成果。

DNAによる人類起源の探求で出てくるのが「ミトコンドリアイブ」という言葉。
これが色々と誤解の多い言葉で、調べてもずーっと腑に落ちなかった。ミトコンドリアイブの誤解、という内容で誤解を解くために書かれた説明を読んでも腑に落ちなかった。まずミトコンドリアイブについて、一般にどう説明されているのか。デジタル大辞泉から引用してみる。


ミトコンドリア・イブ
イブの仮説で、現在の人類の母系祖先を遡っていったとき、最初にたどりつく、共通する一人の女性祖先のこと。
◆現在の人類はミトコンドリアイブの遺伝子を受け継いではいるが、人類がその女性から始まったわけではない。ミトコンドリアイブの同時代には、他にも多くの女性が存在し、その一部の遺伝子は、途中で男系子孫を介しながら、現在まで受け継がれている。また、ミトコンドリアイブからさらに祖先を遡ることもできる。その母系祖先たちも現在の人類に共通する女性祖先のひとりであるが、その中で、現在の人類に最も近い世代の祖先が、いわゆるミトコンドリアイブである。また将来、ミトコンドリアイブにつながる複数の系統のどれかが途絶えた場合、現在ミトコンドリアイブとされている女性の次世代以降の女系子孫が新たにミトコンドリアイブとなる可能性もある。


以上。
上の説明仕方にのっとってもう少し詳しく解説してみます。
まず生物はDNA(遺伝情報)を持っています。遺伝情報は母と父から子へと受け継がれていきます。その時に、両親の遺伝情報が組み合わさって子供へと伝わるわけですが、中には組み換えの起こらないものもあります。それがミトコンドリアDNAです。ミトコンドリアDNAにはある特徴があります。それは、父親から子へ伝わることはなく、母親から子へのみ伝わるということ。そして突然変異を除き、遺伝子の組み換えが起こらない。
つまり、太郎さんという人がいるとして、太郎さんのミトコンドリアDNAは太郎さんの母親からそのまま受け継ぎます。そして太郎さんの母親のミトコンドリアDNAは彼女の母親から、その母親はそのまた母親から・・・といった具合に論理的には母系を遡っていく事が可能といえます。その考えのもと現代人のミトコンドリアDNAの解析結果を分析していくと、アフリカのある集団に辿りつき、そして一人の女性までいきつく。これがミトコンドリア・イブです。




と、大変ロマンを掻き立てるような説明だと思いますが、何でこれが誤解を生むのかというと、実際の研究方法をほとんど説明せずに、ミトコンドリアの特性上、理論的にこういう風に辿ることが可能です、という説明に終始しているからだと思う。


そもそもDNA解析でなぜ人類の枝分かれを辿れるのか。
それは分子時計という考え方に根拠を置く。専門じゃないので詳細な理論までは追い切れてないけど、分子時計という考えの元は、生物のアミノ酸配列の置換数と化石による種の分岐年代がピタリと符合するという内容の研究です。ミトコンドリアイブを導いた研究というのは、それをDNAの塩基配列に応用して人種の分岐年代を推定するというもの。ミトコンドリアDNAは母から子へとそのまま受け継がれるが、非常に低い確率で遺伝子の転写ミスが起こる。その転写ミスによる変異と、それが起こる確率によって推測するわけです。


つまり非常に大雑把に言うと、塩基配列の変異ヵ所、そして変異率を見て、大きな違いを持つほど時間的に古い年代に分かれた。小さな違いであれば比較的最近分かれたと言える。であれば、異なる人種間でDNAを調べていけば、似たもの同士を同じグループにまとめ、グループ同士でまた比較し、近いものを統合しといった具合に系統樹を作成できる。その結果、現生人類はアフリカに起源をもつという結論に至った。もちろんここでいう結論というのは、実際にミトコンドリアイブのDNAが発見されたという意味ではありません。あくまで分子時計を根拠にした現代人のDNAから導き出される仮説。


Mitochondrial_eve_tree.jpg


上の図はウィキペディアからですが、図のL0aからL3はアフリカにしか存在しない。またアフリカ人の間での遺伝子の変異が最も大きいため、現生人類はアフリカで生まれ、その後枝分かれしていったという事になる。変異が大きいと何故古いかは先に説明した通り、遺伝子が大きく変わるにはそれだけ長い時間が必要であり、アフリカ人の遺伝子が最も多様だということは、それだけの長い時間をかけて集団の間に遺伝子の変異差がたまっていったという事になるから。


つまりこの研究は、チンパンジーやゴリラのDNAを解析して、同じ要領で系統樹を作成していった時に、類人猿と人類と共通の祖先がどのような枝分かれで今に至るのかを示したものと変わりない仮説という事になる。それを人間に限定してやった時に、現代人の元となる集団はアフリカにいた、というものだ。だから、あたかも古代人の遺伝子を発見した、イブを見つけた、かのような記述は間違いで、一人の女性から始まったという類の説明は科学ではなく宗教という事だ。

以上のように、DNA研究はアフリカ単一起源説を強力に支持する根拠の一つではあるけれど、絶対的根拠ではない。また、似たようなものとして男系を辿るY染色体アダムというのもあるけれど、それも同じ手法による研究で、その結果もアフリカ単一起源説を支持するものとなっている。


というわけで、どうやら猿人や原人だけでなく、現生人類(ホモ・サピエンス)もアフリカで生まれたようだ。だとしたら、人類が進化できたのは唯一アフリカの地のみという事になる。また、現在生きている大型類人猿はオランウータンを除き、アフリカにしか生存しない(ゴリラ、チンパンジー、ボノボ)。進化したのは人間だけではなく、いま生きている大型類人猿だって進化した結果現在の形になっている。それがアフリカに集中しているという事実。
当然、昔と環境は違うだろうけど、現在のアフリカを見ると大型の肉食獣もいるし、気候や病気など、生きるにはかなり厳しそうに思える環境だけど、何か人類を育むパワーのようなものがあるのか。そんな視点からアフリカを見てみるのも面白いかも。


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プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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