愉しい自転車&生活

2016年05月 の記事一覧

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Category: [アフリカ]エチオピア

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インジェラとわたし


今回はインジェラを無駄に語る回です。


エチオピア人の主食インジェラ。

まず簡単に説明しておくと、インジェラというのはテフという穀物を原料にし、薄く焼いたクレープ状の食べ物のことである。テフって何だよと思った人。グーグルに聞いてほしい。私は知らない。インジェラとしてしかテフと出会っていないので。正確には恐らく走行中に見ているはずだが、それと認識していないので見てないのと同じである。
それで、このインジェラという食べ物は製作段階で発酵させるので独特の酸味をもっている。誰が最初に言ったか知らないが、旅行者の間では、もっぱら見た目は雑巾で味はゲロだという評判の食べ物である。先に言っておくと、見た目は雑巾に見えないし、味もゲロではないので、エチオピアに訪れた人は恐れずに沢山食べてほしい。一応、エチオピア人の代わりに怒っておく。インジェラ断じてゲロではないし、雑巾でもない(怒) では、先に進みたいと思います。

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私のインジェラとのファーストコンタクトは、忘れもしない。エチオピア初日の夜だった。一日を走りきり、「空腹」という最高のコンディションでホテル近くのレストランに入った。誰がスタッフなのか全く分からなかったが、それっぽい人に「何か食べたい」と言うと羊の肉があると言うので、羊肉を注文した。

こんな手元もよく見えないほど暗いところで飯を食うのか、などと思い蚊に刺されながら待っていると、出てきたのは巨大な皿からはみ出すほどデカいインジェラとその上にちょこんとのった肉だった。「インジェラ」じゃなくて「シープミート」と注文したから肉とパンの組み合わせとかで出てくるのかと思ったのだが、違った。ここはあのエチオピアなのだ。インジェラはもはや前提であり、その上にのせる具を何にするかという話だったらしい。

すれ違いだった注文をとった彼と私の想い。そしてついに対面した巨大なインジェラに胸を高鳴らせながら、とりあえずインジェラだけで食べてみる。口に入れた瞬間に理解した。出会いたくなかったようで、出会いたかったもの、これがインジェラの「酸っぱさ」かと。レモンのような鋭さと切れ味はないが、舌全体に広がるような感じである。あとからくるのではなくて、入れてすぐに酸っぱいと分かる程度には酸っぱい。しかし、焦ってはいけない。これは具を巻いて食べるものだ。次は肉と食べてみよう。

エチオピアでついに出会った羊とインジェラ。これは奇跡の邂逅か、はたまた一方的な蹂躙となるのか。結末はいかに。とりあえず、雑巾、じゃなかった、インジェラで羊を包み込み食べてみる。こ、これは・・・インジェラの主張が強すぎる。羊にはもう少し頑張って欲しい所である。でも、このくらいなら全然いける。そう最初は思っていた。

しかし、食べすすめればすすめるほどに、酸味だけが、唯一人酸味だけが、口の中に取り残されていく。一緒にいた羊はと言えば、定時前には帰り支度を始め、定時きっかりでさっさと帰ってしまうのである。いや、それは良いことなのだが、酸味だけがダラダラと定時過ぎても居残るのである。待て待て待て、お前もさっさと帰れ。お前の仕事はもう終わっているんだ。 

しかし、そんな思いむなしく、インジェラの酸味が、いよいよその支配力を発揮し始める。巨大なインジェラを半分も食べるころには、もう私の口の中はインジェラの酸に犯されていた。舌が痺れてるような感覚すらある。もはや羊など居ても居なくても変わらないくらいだが、でも絶対に居てくれないと困る。酸の海に溺れる私にとっての藁であり、たった一つの光。それは羊。ここで私は「水」を大量に投入するのだが、水でも無理だったのである。水に流すことすらかなわない。万策尽きる。最終段階に入ると、口の中でも発酵を始めたのではないかと思えるほどだった。そのせいで、咀嚼ペースは著しく低下。それがさらに酸味のオーバーステイを許してしまう。まさに負のスパイラル。

こうして、インジェラという酸の螺旋から抜け出せぬまま、私とインジェラの最初の夜が終わった。もっとも安易な言葉で終わらせるのであれば「不味い」。これが感想だった。その不味いを言うために、こんなに長い文を書いたのだ。しかし、早まらないでいただきたい。これはあくまで初日の感想に過ぎないのである。


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ところで、世の中には「ブスは三日で慣れる」という言葉があるらしい。それが真実か、はたまた美人と一緒になれなかった人間の負け惜しみかは知らない。ただ、インジェラと私に関して言えば確かに3日で十分だった。エチオピアの田舎ではインジェラしか置いてないことが多い。だから、私は初戦の傷も癒えぬまま毎日インジェラを食べた。腹が減っては走れないし、幸い全く食べられないほど駄目ではなかったから。朝も、昼も、夜も、インジェラと共にすごした。するとどうだろう。3日目の時点で自身の変化に気づく。抵抗なく食べられるようになっていたのだ。私はインジェラを理解し始めた。



ご飯やパンは噛むと「甘味」が感じられる。ただでさえ、甘い味付けが好きな日本人だ。主食が酸っぱいというのはかなりの抵抗がある。しかし、私は「日本バンザイ!」と思っている人間ではない。日本人旅行者が大好きな「日本食美味いよね話」も、私には全く理解できない。現地で食う現地飯こそ至上と思っている。祖国の料理への郷愁は一切ないし、かといってフレンチやらイタリアンやら海外料理への憧憬もない。美味けりゃ何でもいいだろと思っている。つまり、特定料理への偏向が少ない私の舌が、インジェラの酸味を理解し受け入れ始めたのだ。



心を開いて食べていけば、あの酸味が癖になってくる。むしろあのインジェラの酸味があるからこそ、具材の味が引き立つのである。一見、インジェラが一方的に主張しているように見えて、その酸味の奥からしっかりと具材の叫びが聞こえるのである。それを理解できれば、インジェラは決して味の破壊者というわけではなく、具材を激しく包み込む頼もしい存在であることが分かるだろう。そこそこのレストランだとインジェラとパンを選択できたりするのだが、私はパンを選んだことはない。パンの甘味はインジェラの具に合わないからだ。あんな甘ったるいものが相手では、具たちがパンの甘さに甘ったれてサボるのである。インジェラの具はインジェラで食べるからこそ美味いのだ。


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こうしてついにインジェラを美味いと判定した私は、むしろ三食すべてインジェラでいいくらいになった。走行後の腹の減り具合では2回夕食を食べることもあるのだが、2連続インジェラを食べることもあった。ちなみにエチオピア人に「インジェラ美味しいよね」と言うと、エチオピア人自身、インジェラの特殊性を理解しているからなのか、ほぼ例外なく喜ばれる。そんなに嬉しいか?とこっちは少し不思議に思うくらいだ。しかし、私としてもインジェラと懇意になれて嬉しい限りである。


長々と書いてしまったが、最後に軽く種類を紹介して終わりたいと思う。
私が好んで食べたのは「バイヤナット」と「ティブス」である。

これがバイヤナット。見た目もカラフルで楽しい。
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エチオピアは断食日があるらしいのだが、ただそれは「肉を断つ日」という意味らしく、その日に食べるのが野菜と豆を具材にしたバイヤナットということらしい。もちろん私にはそんなもの関係ないが。


それとティブス。見た通り肉である。
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肉がカタかったりすると食べるのが大変だが、これもよく食べていた。ただ、肉が十分な量の所もあるが、インジェラに対して少ないこともあるので、初心者はまずバイヤナットあたりで慣らすのが良いと思われる。


そして、インジェラをインジェラで食べる、究極のインジェラ。フルフル。
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ひたひたに味の浸みたインジェラをおかずに食うインジェラ。私はアディスアベバに到着した日、他に沢山選択肢があるにもかかわらず、頼んだのはフルフルであった。好きな人は是非食べてほしい一品である。


あとはシロとか、クットフォとかあるが、これらは一回食べたきりだった。シロは言ってみればインジェラに「汁」をかけるだけなので運動する人間にとっては物足りな過ぎる。できればユルイものじゃなくて、しっかり固形のものを食べたい。クットフォは生肉なので、食あたりが怖い。というか、一回食べたらおなか痛くなった。それに大して美味いと思わなかったし。それ以外にもスパゲティ・オンザ・インジェラもあったりとか、種類は山ほどあって私が知っているのは、本当にほんの一握りに過ぎない。気に入ったものがあると割とそればかり食べてしまうので、あまり開拓はしなかったんである。チャレンジ精神のある人はもっと色々チャレンジすればインジェラの奥深さをより味わえることでしょう。


以上、インジェラとの出会いでした。


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バハダールまで


前回あげたインジェラの記事への「いいね」が5000以上になっているんだけど意味が分からない。謎だ。文章表現の柔軟性を高めるために少しふざけて書いたのがいけなかったのか。

なんか気になるけど分からないものは仕方ないので日記を。
今回はふつうに書いてますので。



ゴンダールは何だかんだ6日くらいはいた。3ヶ月ビザで余裕がありすぎるのでつい長居してしまったのだけど、この「つい」がこの先各地で発揮され、エチオピアでは過去に例がないくらい滞在しまくることになります。いわゆる沈没というやつだけど、日本人宿でついダラダラしてという沈没ではなくて、一人で勝手に沈没してた。きっと船に穴でも開いていたんでしょう。


で、本当はゴンダールから北上してシミエンに行き、さらにアクスム、ラリベラと北部をグルっと周ってアディスアベバまで向かおうと思ったけど、凄く面倒なのでそのまま南下することにします。とりあえず次の沈没先である「バハダール」という街を目指す。一応、これは言い訳じゃなくて本当にそう思っているんだけど、真面目にコツコツ走るってのは駄目だと僕は思っている。よい旅をするのには不真面目さが絶対に必要。合わせて真剣さも必ず必要。あくまで個人的な見方ですが。


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ちなみにバハダールの街はタナ湖という湖に面しているのだけど、このタナ湖はブルーナイルの源流。もう一つ、ホワイトナイルは幾つかの湖を経由し、ケニアやタンザニア、ウガンダに囲まれるヴィクトリア湖まで続いている。二つのナイルの合流地点がスーダンのハルツーム。ハルツームで一つになったナイルはエジプトを通り、地中海にそそぐ。ってなると、遠くヴィクトリア湖やタナ湖の水が地中海までそそいでいるという事だから何だか凄いな。長い旅だ。


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エチオピアは所々に大木があってすごく良い。
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何この岩。
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この国、景色が素晴らしい。あと少しだけでいいから放っておいてくれると風景も十分に堪能しながら走れるんだけどね。
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でも、声をかけられる内が華だなと思う。この独特のエチオピアらしさがいつまであるかだって分からないのだし。


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バハダールまでは2日かかったんだけど、周りが畑しかなかったので普通の民家にテントを張らせてもらえないかと頼んだら家の中で寝ろということに。
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ありがたかったけど、お陰様で南京にかまれまくって酷い目にあった。断ってテント張るべきだった。
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翌日、大した距離もないし道も楽だったので、あっさりとバハダールに到着。
ナイルの源流とはどんなもんかと思ったけど・・・思ったより汚かった。
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そしてまたこの街でもズルズルと過ごしていくことになる。


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バハダール


バハダールのカフェ。
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エチオピアは流石にコーヒーの原産地で、そこら中にカフェがある。カフェのような洒落たものがないような小さなまちでも、その辺で淹れてるのでまずコーヒーが飲めないことはない。ちなみにこれはマキアート。一杯50円くらい。
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そして忘れてはいけないのが、このアボカドジュース。濃厚で飲むというより食べるという感じ。エチオピアに来たら是非とも飲んでいただきたいくらい美味い。日本でもあったら飲みたいくらい。
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ただ、南部で飲んだものは水で薄めているのか知らないけど、ユルかったので微妙だった。バハダールで飲んだものが一番おいしかったかな。



そしてタナ湖。ブルーナイルの源流なんだけど、元がこの色じゃあナイルも汚いわなという感じ。
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エチオピア人は泳いでいたけど、僕は嫌だ。
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さあ、そしてこのバハダールの先にエチオピア最大の「山場」、というより「谷間」がある。地球の地殻運動とナイルが造り出した大峡谷。実はシミエンを結構簡単に諦められたのは、そこの景観を見れればエチオピアは十分だと思ったからでもあるので非常に楽しみ。


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エチオピア最大の谷間の手前


タナ湖の南には大きな山が二つある。
タナ湖を流れ出たブルーナイルは、一度南東に進路をとり、その山の周囲をグルりと周って方向を北西へと変えてスーダンへ流れていく。

上の赤丸がバハダールの街。切れてるけどその上にタナ湖。下の赤丸はデジェンというまち。
無題


バハダールを出たあと、山の西側を周り込んで南に向かっていく幹線道路を走れば一度ナイルと離れるわけだけど、東を迂回してきたナイル川が進路を変えて山の南側を西に向かって進んでいく所で、再びナイルと出会うことになり、ここがこの旅でナイルを見る最後の機会となる。で、実は、この場所こそがエチオピアでも、とびっきりの風景が広がっている場所でもある。ただし、標高2500mから谷底の1100mくらいまで下り、再び2500mまで上り返さなければならないので自転車では少し大変な道。


デジェンという小さなまちが、ちょうど谷のふちにある。その向かいにも上りきった所にまちがある。谷底のナイルまで一気に下って、上り返すという道。当然、下りの時点で既に対岸は見えているので、その日の行程を全て視界に収めながらの走行になる。
無題s




まあ説明はこのくらいにして、とりあえずバハダールからデジェンまでは3日か4日くらいの距離。なんですが、ちょっとバハダールでダラけ過ぎたせいで一日走っただけで体調崩したりして、実際はもう少しかかった。
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こっちの人がよく噛んでいるチャットという葉っぱ。一枚もらったけど苦かったので、渋い顔で「不味い。苦い」って言ったらウケていた。こういうのは正直に言った方が結構面白がられることも多い。
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外国人が納豆を食って「オヴェ」ってリアクションしたら面白いじゃないですか。それと一緒。もちろん気を遣うべき時だってあるけども。




岩が凄いなと思って撮っていたら前に入ってきた少年。この出たがりめ。
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エチオピア、アップダウンはあるけど、さほどキツくはない。ゴンダールまでが少し勾配が強いけど、それ以外はせいぜい普通程度の勾配しかない。激坂と呼べる場所は多分なかった気がする。
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さあ、そして凄く端折りましたが、6日くらいかけてデジェンに着いたわけである。まだ日没まで時間はあるけどここでストップ。下っちゃって、翌日の朝、涼しい時間に上るというのもアリだけど、まあ多分大丈夫でしょう。距離的には大したことないから。
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エチオピア正教の教会。
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エチオピアっ子。
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やはり積極的に前に出る子が得をする。ドンマイ、後ろの子。
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さあ、大変そうだけど楽しみだ。


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谷を越える


僕がこのアフリカ旅行をするのは、特定のどこそこに行きたいと思っているからではない。動物を見たいからでも民族を見たいからでもない。

「自転車でアフリカを縦断する」

その過程そのものにロマンを感じるからであり、人類生誕のアフリカを旅することが非常に意義深いと思うからだ。途中の具体的な国というのは「通り道だから行く」という表現が正しい。もちろん、その通り道となり得る国の中での選択はあるけど。西に行かずに東側を縦断するのも西に興味がないからではなく、自転車でそのままずっと走れるのが東だったからだ。

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2015年12月、アレクサンドリアで見た冬の地中海。そこからスタートしたアフリカ縦断は、最後、喜望峰から大西洋を望んで終わるわけである。海に始まり海に終わる。アレクサンドリアと喜望峰で海を見るのは一つの夢でもある。細々した興味ももちろんある。でも、なによりアフリカには「大陸として」興味をもっている。そんな大陸としての風景を肌で感じられるのが、この道だった。


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ちなみにだけど「縦断」という事について、これは僕の中での定義の話であり、決して押し付ける意味で言っているわけでも、他人の旅を否定する意味で言っているわけでもないので、そこは誤読しないで欲しいのですが、狭義の「陸路縦断」(あるいは横断)というのは僕の中では自力に限る。公共交通機関での縦断は「陸路縦断」のうちには入らない。ただ、それは必ずしも人力移動でなければいけないという意味ではなく、たとえ自動車での縦断でも、自分で運転して縦断するならばそれは陸路縦断に入る。「自分で」という能動性が旅の中での「移動」の比重を大きくさせるからだ。目的地に到達する「手段」として移動があるのではなく、移動そのものが「旅の核」としてある場合を、狭い意味での陸路縦断(横断)と僕は考えている。広い意味で言えば、もちろんバスで縦断しても陸路縦断であるけど、僕がやりたいのは狭い意味での方。

ただ、人に連れて行ってもらうのでも、ヒッチハイク縦断は狭義の縦断に入るように思えるな。移動自体が目的化しているし。何より、チケットを買えばどこまで行けると保証される移動ではなく、どこまで行けるか、どうなるのか分からない、不確定要素、未来の定まっていない感じ、これがとても大事なポイントである気がする。ヒッチハイクの場合、進める保証がないという点については、自転車以上であるわけだし。自転車のがまだ簡単に見通しがつく。


これ、朝に見た風景ですが、対岸に目的地が見えています。
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ちょっと強引にトリミングして画像処理すると道がハッキリと見える。
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真ん中の白いのが渡る橋。周囲の地形が凄い。
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下りきった。思ったより舗装がボコボコしてて走りづらかった。この時点で標高1100mほど。
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ナイルも見納め。
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そしてここから2500mまで上り始める。気温は想像以下だが、日差しがかなりキツイ。
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谷底のあたりにはサルがいます。
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この上りについては最初から諦めていた。サクサクと走り続けるのは無理だから、暗くなるまでに頂上のまちに辿りつけばよいと思っていたので時間はたっぷりある。ゆっくりと50mくらい標高を上げるごとに日陰で休みながら走る。それを、たった30回繰り返せば1500m標高を上げられるのだから、そう考えれば意外と楽に思える。


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そうやって、チビチビと200mほど標高を上げた所で、一台のトラックに追い抜かれた。トラックの運転手は何かを叫んでいたが、上り坂で唸るエンジン音にかき消されて聞こえない。と言うと、聞こえたら理解できるのかと思われそうだが、聞こえた所で何を言ってるかは分からんので、どっちにしろ同じである。

とりあえず、仕草からしても状況からしても「掴まれ!」と言っているようだった。僕は完全自走が別に素晴らしい事だとは思わないが(とても大変なことだとは思うが)、きついからと言ってあまりホイホイ楽をしていたら自転車である意味が薄くなってくる。だから、自分の納得を得られるくらいは走りたい。というか、それが全てである。ヨーロッパは結構電車を使ったが、自分で「これが正しい」と思ってやっていたので全く問題ない。他人が納得するかしないか、他人が認めるか認めないか、ではなくて、自分が納得できるかできないか。それ以外に基準がありますでしょうか。だから、旅なんて所詮自己満という卑下た言い方は大嫌いである。オレが満足するために旅してんだ、文句あるか。くらいの態度でいいと思う。


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話逸れましたが、そういうわけなので、そんなトラックに掴って楽をするなんて、てやんでぇ、そんなことできっかいと、お断りしたい所である。オレは自分の力で進みたいんだ、とガッツを見せたい所である。ところが、気付いたら僕はトラックを掴んでいた

これは僕の中でアリなのかナシなのかと言えば、もちろんアリだから掴んだ。このくらいのズルはオッケーである。

ただ、この掴っての登坂は初めてやったのだけど、これが想像以上に走りにくかった。普通に走りにくいし、しかも掴って走るとちょうど舗装がボコボコの部分を走らなければならなくなって、さらに走りにくい。確かにペダリング自体は楽だけど、結構手も腕も痛くなってくるし、当然掴ってろうが何しようが日差しの強さは変わらないし、想像してたものと結構違うぞ。

普段しんどい所は楽だけど、それ以外の部分で(握力とか腕とか)しんどい。こうしてあんまり楽じゃないと思った僕は、トラックから手を離した。さようなら。トラックの運ちゃん。短い間だったけどありがとう。僕はもう駄目だ、先に行ってくれ。そしてトラックは何事もなかったようにブ――ンと走り去っていったのである。ちなみに翌日、掴んでいた左腕が筋肉痛になった。


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それ以降はまあ、本当に地道にコツコツ上っていっただけなので、これといって特に何もなかった。風景の凄さを除いてはね。


とりあえず、とんでもないスケールの風景が広がっていることは写真でお分かりいただけるかと思います。
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一日中こんな感じ。グランドキャニオンに似ているけど、成り立ちとしては同じなので当然。
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最後の2㎞くらいはエチオピアの子ども達が自転車を押すのを手伝ってくれた。若干モノねだられたりしたけど、特にしつこいこともなく、というかこれだけ手伝ってもらったんだからと思って、水をあげようと思ったら受け取らないでやんの。エチオピア人というのは、こういう時に限って何故か遠慮する。


結局下りも含めて8時間半くらいで辿りつき、この日は天辺のまちで一泊。
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実際50㎞も進んでないんだけど、充実の一日だった。
あとはひたすらアディスアベバ目指すのみ。
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なぜアディスアベバに行くのか


タイトルの「なぜアディスアベバに行くのか」は、エチオピア人から聞かれたことなんだけど、なんでって通り道の上にあったから行くだけなんだけど、と思ったものの英語で何と表現したらよいか分からずに、その時は適当に返事をした。なんでそれをタイトルにしたのかってのは、別に思いつきなので深い理由はないんですが。


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まあその質問に上手く返答できなかったのはこっちの英語力の問題でもあるしいいんだけど、結構エチオピア人というのは、それオレに聞く?と思う所で「ホワイ?」と聞いてくる。例えば僕が一人っ子だと言うと、「なんでブラザーいないの?」と聞いてきたり。知らんがな。そんなもん親に聞いてくれって話だ。あとは・・・他にも幾つかあったけど忘れたな。

あとこれはエチオピアだけじゃないけど、結構よく言われるのが、自転車でケープタウンまで行くと話すと「政府が援助してるのか?」と言われる。そんなバカなって話だけど、真面目に聞いてくる。たぶんアフリカの人にとっては経済先進国の人間がやる、世界一周みたいな遊びは理解に苦しむところなんだと思う。なんでやるの?と問われた時に「アフリカの人々とか自然とか文化とか色々見たいから」と言ったら、ある人には「ノー」と返された。いや、ノーって言われましてもね。


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ついでに質問繋がりで、エチオピア人に「エチオピアはどう?」って聞かれた時、まずは普通に「うん、人がフレンドリーで良い国だと思う。」と答えて(これは嘘じゃない)、相手もニコッとした所に追加で「でも、子供が石を投げてくるね」(もちろんこれも嘘じゃない)と、チクリと悪い部分を刺してみたら、「うーん・・・まぁ彼らは学校で教育を受けていないから・・・」とか言っていた。子供が石放ってくるのは、そういう問題じゃないと思うんだけど。周りの大人や社会を見て、子どもは育っているんだから。いきなり他人に石を放ってよいか否かの判断が学校行かないと出来ないって変でしょ。


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道の方ですが、谷越えのあとは大した山場もなく、高原地帯の本当に気持ちの良い走行。エチオピア人も声はもちろんかけてくるけど、なんか北の方より大人しい気がする。僕が慣れただけなのかもしれないけど。


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僕は首都に入る時は、なるべくギリギリまで近づいた所で一泊して、翌日できるだけ早めに到着するようにしているので、アディスの40㎞くらい手前の町で一泊。翌日アディスを目指した。


凄い雲
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北からアディスに入る場合、手前で2700mくらいまで標高を上げて、旅行者の滞在するピアッサ地区の2300mまで下りながら入るのでかなり楽です。


下り始めの所から見るアディスアベバ。
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これでエチオピアも折り返し地点。


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アディスアババー


アディスアベバって、カタカナで「アディスアバ」と表記されるんだけど、綴りは「アディスアバ」と書くんですよね。エチオピア人の発音を聞いている限りだと、どちらともとれるような音で発音する。

このアディスアベバに到着したのが3月の初めころ。
そしてアディスアベバを出たのが4月の初めころ。
何という事でしょう、約一ヵ月くらいアディスアババに居たのです。

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一応日々の研鑽は欠かしていませんでしたので、出発時に幸い筋力が衰えているということはなかった。ただし、持久力は結構落ちていたけど。まあ、ちょっと居すぎだなとは思ったけど、滞在して一回切れたのは良かった。そして、このアディスの記事を書いたことで2ヶ月半遅れだったブログも一気に1ヶ月ほど差を縮められる。


とりあえず、滞在中唯一した観光である博物館の写真を。入場は確か10ブルくらいだったかな。円にして50円くらいなので超安いです。

インジェラ作っているところの写真
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椅子。椅子は欲しいと思ったのだけど、やはり長期旅行中だと嵩張るので断念。
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ただ一応今回はちょいちょいお土産を確保しながら走っている。例えば、今持っているのは「サハラの砂」、「サハラの石」、「フランスで買ったナイフ」、「ケニアで買ったコップ」の4点。ナイフとコップはもちろん普段使いで使用してる。南アフリカまで行ったら、この4点とこれから確保していくお土産をフライト前の軽量化という意味も含め、全部日本に送る予定。そしてナイフやコップは再び現地で買い揃えて、それをまたお土産にする。

こうやって今回は、普段使うものでも日本から持ってきたこだわりの一品でずっと使うのではなく、現地で気に入ったものを買って実用兼お土産にしながら旅をすることにしている。だから、現地でお気に入りの品を見つけるのが、密かな楽しみでもあったりする。



話が逸れましたが、これはマリアとイエス。エチオピアの宗教画。右手のピースは何か意味があると思うんだけど、何の意味なんだろうか。
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最後の晩餐。
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地下に行くと明らかに気合の入った展示になる。
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それもそのはず。ここには超有名人がいる。

人類のご先祖ルーシー。さらにご先祖のアルディも展示されていたんだけど、この写真、どっちだっけ。たぶんルーシーで合っていたと思う。
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人間も原始的な生命体から進化してきたのだから凄いよな。そして「自分」という意識をもった存在がいるというこの事実。これを理解するのは人間の知性の限界を完全に超えていると感じる。理解不能だけど、感動的。というか、理解を遥かに超えるからこそ感動的なのか。
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これは直接の祖先になる現生人類の頭蓋。脳容量的には旧人も同じかそれ以上くらいのようだけど、頭蓋骨見ると明らかに新人の方が前頭葉の部分がデカいんですよね。
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ウィキペディア調べだと

「前頭葉の持つ実行機能 (executive function) と呼ばれる能力は、現在の行動によって生じる未来における結果の認知や、より良い行動の選択、許容され難い社会的応答の無効化と抑圧、物事の類似点や相違点の判断に関する能力と関係している。」


らしいので、まさに人間の人間的能力の部分じゃないですか。であればホモサピエンスの前頭葉が発達しているというのも、なるほどそういうことなのかと納得する。



博物館見学はこんなもん。
ちなみに外にはデカいカメがいます。
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泊まってたホテルからの夕焼け。
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以上アディスアベバでした。



プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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