愉しい自転車&生活

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Category: [第二次・欧州アフリカ持ち物]自転車

Tags: ハンドル  日東  

Community: テーマ-自転車旅行  ジャンル-旅行

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ハンドル 日東 B602


トロールのハンドルを決定するまでに、試したハンドルの数は実に6本。

ハンドルというのは形や素材如何でその自転車の乗車姿勢や乗り心地が全く変わってしまうパーツの中でも極めて重要な部分だ。例えばロードのフレームでもハンドルをフラットにすればそれはもうクロスになるわけだし、ドロップならロードになるわけで、フレームとハンドルでその自転車の方向性がほぼ決定されるくらいの影響をもつものだ。

ハンドル(とグリップ)やサドル、ペダルといった直接触れる部分は快適な自転車にしたいのであれば、こだわるべき部分であると思う。短距離ならどれでも大して変わらないといえるけれど、長距離乗る場合はコンポーネントなんかよりも遥かに重要性が高い。普通の旅でXTRとかXTとかそんな高級品は全く要らんし。一分一秒を争う旅ならば別だろうけど。


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そういうわけで、自転車の方向性を決定づけてしまうこのパーツは色々と試した。


個人的見方で少しハンドルについて述べると、

まず、最も長距離、長時間走行に向いてないのは僕が前半戦で使っていたようなフラットバー(ライザーバー)だと思う。あんな腕を捻った不自然な姿勢を長時間続けていたら腕がおかしくなる。手首が常にひねった状態になってしまうことによる痛みと、さらにグリップポジションが一ヵ所しかないことによるストレスの集中。これがフラットハンドルの問題点。しかし、この問題はバーエンドを取り付けることで容易に解決できるものではある。だから旅行での使用者が多いし、実際使用者のほぼ全てがバーエンドを取り付けている。付けなければとてもじゃないが使えたものじゃないから。



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また、ドロップハンドルはよく旅行に適していると言われるが、僕もそう考えていた時があったけど、今ではそれは正しくないと思っている。本来ドロップハンドルはスピードを出して走るためのものである。「速度」と、それを「長時間」維持する、この二つがドロップハンドルの本質だ。高い速度で走る時、あの前傾の深さも幅の狭さも、高速域で最大の障害となる風の抵抗を大きく減らすための明確な利点として活きてくる。しかし、低速で、また荷物満載で走るのであれば、あの前傾の深さは視界を狭めて安全性を損ない、首と腰により多くの疲労を与えるマイナス要因となり、幅の狭さも重い車体をコントロールするには不利な要素となる。それが未舗装となれば尚更である。加えて、ブラケットポジションでのブレーキの握りにくさ(=ブレーキの効きの弱さ)や、ドロップハンドルを使う意義そのものとも言える下ハンドルの使用頻度などを考えれば、速度の遅い走行では、ドロップハンドルの良さが殆ど活きず、むしろドロップの良さが悪さとして感じられてしまう。

また複数のポジションがとれるため疲労を分散できるというのは、それはあくまでドロップハンドル単体で見た時の話である。通常姿勢の前傾が深くキツイので、より緩いフラット部分を持てる必要があるのであり、向かい風や下りでより速く確実に走る為、全身の筋力を動員して最大パワーでペダルを回す為に下ハンドルを持てる必要があるのである。あくまでその為に最も合理的な形状ということ。だから、他のハンドルと比較してドロップが疲れにくいかと言えば、そういう訳ではなく、短中距離までならプロムナードの方が遥かに疲れにくくて楽である。ただし、それは速度を度外視した場合の話だけど。速くるほど、前傾姿勢による疲労よりも風の抵抗による疲労のが大きくなるので。

だから、ドロップに限らないけれど、メリットとデメリットというのはコインの裏表であり、その物の特徴がデメリットと感じるならば、それは使用者が選択を間違えたという意味にすぎないわけだ。


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僕にとってこの旅行は競争じゃないので、何キロ走ろうが、時速何キロ出ようが、どうでもよい。そんなことは、どうでもよすぎる。逆に速度なんか要らない。くれると言われても要らん。スピードが出るほどより多くのものを見落とすので、そういう自転車では駄目なのです。必要なのは速く走れることではなく、低速でも安心でき、楽しめる安定性で、自然な姿勢でリラックスして乗れることだ。いつでも止まれるし、止まる事が億劫にならない。走り自体を楽しむ為の自転車ではなく、自分の眼で世界を見て、楽しむための道具。どこまでいっても主体は自分である。

B602の話が全く出てないので少しすると、このハンドルは幅、握りの角度、ライズ、どれも丁度良かった。取り付けて使った瞬間「決まった」と思った。それほどピタリときた。幅は490㎜で肩幅よりは少し広く、丁度良い。これがもっと広くなると広すぎてしまい長時間の走行で微妙な疲労感が出てくるし、逆に狭いと荷物を積んだ車体をコントロールするのが大変になる。握りの角度も丁度よい。


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最後、これまでの説明と見た目からしてプロムナードバーだとスピードが全然出なさそうな印象を与えるかもしれないけれど、全然そんなことはない。プロムナードをつけようが、間違いなくスポーツ車の走りをする。空気抵抗が少ない時速20㎞台であれば別にドロップハンドルと変わらず楽勝で走れる。しかし逆に言えば、このハンドルが活きるのはせいぜい時速20㎞台の半ばが限度だということでもある。それ以上の速度を求めるのであれば、素直により前傾するハンドルを選ぶべきだ。


<ヨーロッパ、アフリカ走行後追記>
実際にプロムナードで旅をしてみて、確かに楽にはなった。首、肩、腰、などの疲労は少なくなった(特に首)。ただ、逆にストレスが大きく増えた部分もあった。それは手の平。グリップポジションが一ヵ所というのは、これはやはり長距離ではマズかったかなと思う。最低でも2ヵ所は必要。手を縦に出来るポジションと、横に出来るポジション。プロムナードで走って気分がよいのは短~中距離までといったところ。パッキング状態の運転にもあまり向いていないかな。

今回プロムナードでやってみて、プロムナードバーを入れるフレームというのは、本来はフレーム自体に相当なしなやかさ=乗り心地の良さが必要なのではないかと思った。サドルに大きな荷重をかけてしまうとフレームのかたさを非常に感じやすくなる。それをまぎらわすためには、本来プロムナードでとるべき姿勢よりも、もう少し前傾をさせる必要がある。そうなれば、手の平への荷重が大きくなる。フルパッキングの場合、ハンドル操作に使う力が多い(慣れていれば無意識的になってくるが)ので、なおさら手の平への負担は大きくなる。短距離や、荷物無しでは分からなかった部分が、実際に使ってみるとよく分かった。

まさかマウンテンバイクはマウンテンバイクとしての乗車姿勢をとるのが最も理に適っているという極めて当たり前の事を、今更思い知るとは。でも、やって体験的に分かるのと、やらないで頭だけで分かる(分かったつもり)は、全く違いますからね。今回の試みは結果的にはあまり上手くいかなったわけだけど、それ故に大きな収穫があった。自転車に限らずだけど、やればやるほど奥が深く、簡単に結論なんて出ないものなんだとよ~く分かりました。


プロフィール

染谷 裕太

Author:染谷 裕太
2012年6月カナダからスタートした自転車世界旅行をきっかけに始めたブログです。当初は単純な旅日記でしたが、現在は旅だけではなく日常も含めた様々な場面で自転車を楽しみ、その面白さを発見し、発信していきたいと思い書いています。

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